はじめに
簿記はどんな企業や組織にも必要だといわれる知識で、ビジネスシーンで活きる資格として人気があります。その中で日商簿記2級は、実践的な知識が身につき、求人案件が多いことで高い評価を受けています。本記事では、日商簿記2級の魅力や試験内容、勉強方法、合格率について詳しく解説していきます。
日商簿記2級の魅力
日商簿記2級は、部署に関係なくあらゆる仕事に役立つ資格です。簿記の知識を身につけることで、経営者と同じ目線でビジネスを捉えられるようになります。また、就職や転職に有利に働き、多くの企業では簿記2級以上の知識が求められています。
ビジネスで活用できる知識
特に2級の知識を身につければ、財務諸表や原価計算の仕組みなどを深く理解し、経営状況を的確に把握できるようになります。経理・会計の仕事だけでなく他の業務でも自社や他社の経営状況を把握することができます。
また、簿記の知識は公認会計士や税理士、中小企業診断士、ファイナンシャルプランナーなどの試験にも役立ちます。簿記2級を取得することで、財務諸表にもとづく正確な企業分析が可能になり、幅広い業界で活用できます。
就職・転職に有利な資格
簿記2級は人気の資格ランキングでも上位の簿記検定であり、企業の家計簿といわれるほど重要な知識です。日商簿記2級が求められる求人案件も多く、就職や転職に有利な資格です。
取得することで、あらゆる企業に求められる会計・経理知識が身につくため、ビジネスシーンでの信頼感が増すとともに、キャリアアップも期待できます。
日商簿記2級の試験内容
日商簿記2級は、日本商工会議所が主催する検定試験で、商業簿記と工業簿記の科目が含まれます。商業簿記は外部から仕入れた商品を販売する企業を対象とし、工業簿記は企業内部で製造した製品を販売する企業を対象としています。
試験時間・合格基準
簿記2級の試験時間は90分であり、合格基準は70%以上です。試験問題は商業簿記と工業簿記の問題で構成されています。合格率は15~30%前後であり、合格率が低い回に当たった場合でも基準を上回るためには十分な対策が必要となります。
試験会場では身分証明書の持参や特定の筆記用具の使用が求められます。試験終了後には問題用紙・答案用紙・計算用紙が回収されます。合格発表の期日や方法、証書の受け渡し方法は商工会議所によって異なりますので、申し込み時に確認してください。
統一試験とネット試験
2020年12月からは従来の統一試験に加えて、ネット試験が開始されました。簿記2級ネット試験の合格率は平均39.2%で、統一試験の2倍近い数値となっています。試験の難易度には変わりがないと発表されていますが、大きな差があります。
受験料は4,720円(税込)で、ネット試験の場合は別途事務手数料550円(消費税込)が必要です。試験の選択肢が増え、受験者にとって選ぶ際の参考になります。
日商簿記2級の勉強方法
簿記2級は独学での合格も可能ですが、簿記3級の知識があることが前提となります。勉強方法としては、市販のテキストで独学する方法、通信講座やオンライン講座を利用する方法、通学制のスクールに通う方法があります。それぞれにメリットがあり、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
独学で合格するために
独学で日商簿記2級に合格するためには、まず簿記の基礎知識をしっかりと理解することが大切です。市販のテキストを利用し、わからない箇所は質問できる掲示板やSNSを活用することで、疑問を解決できます。
勉強時間の目安は100〜200時間(講座利用時)または150〜250時間(独学時)であり、独学でも合格可能ですが、短期間で合格したい場合は通信講座やオンライン講座を利用することが効果的です。
通信講座やオンライン講座の活用
通信講座やオンライン講座では、専門の講師がわかりやすく解説してくれるため、独学よりも効率的に学習が進められます。また、質問や疑問の解決がスムーズに行えることも大きな魅力です。
講座を受講することで、継続的に学習を進めるモチベーションを維持しやすくなり、効果的な勉強法も手に入れることができます。短期間で合格を目指す場合は、こちらの方法がおすすめです。
合格率と対策
日商簿記2級の合格率は過去10回の平均で21.5%です。最高合格率は第133回の47.56%で、最低合格率は第107回の5.69%と8倍以上の差があります。合格率は回によって10%前後まで下がることもあります。
合格率の低い回に対する対策
合格率の低い回に当たった場合でも、合格基準を上回るためには余裕をもって対策を進める必要があります。このため、過去問題や予想問題をこなすことで、試験範囲や出題傾向を把握し、効果的な勉強法を身につけましょう。
また、過去の合格者の体験談やアドバイスを参考にして、自分に合った勉強法を見つけることも大切です。
簿記3級との違いに対する対策
簿記2級は簿記3級よりも難易度が格段に上がっています。簿記3級の合格率は約40~50%で、2人に1人は合格していますが、簿記2級では合格が難しいとされています。このため、予め簿記3級を取得しておくことで、基礎知識を固めておくことができます。
また、商業簿記から工業簿記への知識の移行も難しいため、両方の知識を効果的に学ぶ方法を取り入れることが大切です。
まとめ
日商簿記2級は、経営者の視点でビジネスを捉えられるようになるため、他のサポート業務から経理・会計の仕事まで幅広い業務で活用できます。切っても切り離せないビジネス知識であり、就職や転職の際にも有利に働きます。
簿記2級試験に合格するためには、独学や通信講座・オンライン講座を利用して効果的な勉強法を身につけることが大切です。過去の合格率や出題傾向を知り、対策を立てることで、確実に合格に近づくことができます。今回の記事を参考にして、日商簿記2級取得に向けて一歩ずつ進んでいきましょう。