金融市場における個人投資家の資産形成と活性化を目指す新制度「新NISA」が2024年に導入されます。
この制度には、投資上限額の引き上げや非課税期間の無期限化など、さまざまなメリットがありますが、その詳細についてはまだ十分に理解されていません。
このブログでは、新NISAの概要や現行NISAからの引き継ぎ方法、投資枠や対象銘柄、おすすめの投資信託選びまでを詳しく解説し、皆さんが新NISAを活用して賢く資産運用を行えるようサポートします。
新NISAの世界に一緒に踏み込んでいきましょう!
1. 新NISAの概要
新NISA(2019年改正NISA)は、2024年から導入される金融商品取引所等の非上場株式等を対象とした長期投資のための制度です。
現行のNISAと比較しても、投資上限額が大幅に引き上げられ、非課税期間も無期限となります。
1.1 新NISAの特徴
- 非課税期間は無期限で、投資益が非課税となります。
- 年間の投資上限額は従来の120万円から360万円に引き上げられます。
- 対象となる銘柄は現行のNISAと大きく変わりませんが、証券会社の取り扱い銘柄によって異なる場合があります。
1.2 新NISAのメリット
新NISAの導入により、個人投資家はより柔軟な投資を行うことができます。以下は新NISAのメリットの一部です。
- 長期投資による資産形成が可能
- 非課税期間の延長により、投資による益金を少ない税金で受け取ることができる
- 投資上限額の引き上げにより、より多くの資金を投資に充てることができる
新NISAは、日本の金融市場の活性化や個人投資家の資産形成を促進するための制度として注目されています。
2. 現行NISAから新NISAへの引き継ぎ
新NISA制度では、既にNISA口座を保有している人々も、新NISAへの移行手続きは不要です。新NISA制度では、旧NISA(つみたてNISA・一般NISA・ジュニアNISA)の口座を自動的に引き継ぐことができます。詳しく説明すると、旧NISA口座を持っている人が同じ金融機関で新NISAを開始する場合、その金融機関で自動的に新しいNISA口座が作られます。
このような移行手続きは特に必要がありませんので、新制度についての手続きは煩雑ではありません。ただし、旧NISAで保有している商品は新NISAに移行することはできないため、注意が必要です。
もしも別の金融機関で新NISAを始めたい場合は、2023年中に金融機関の変更手続きを行う必要があります。金融機関の変更は「年単位」で可能であり、2024年以降に新NISAを利用するには、旧制度で利用していた金融機関から別の金融機関への変更手続きを行う必要があります。
具体的な手続きは以下の通りです:
- 現在利用している金融機関で廃止手続きを行う。ただし、保有している商品は保有するか、売却することができます。
- 新しい金融機関で新NISA口座を開設する。
上記の手続きを行う際に留意すべき点は、新NISAを開始するためには現在利用している金融機関とは違う金融機関で手続きを行う必要があることです。詳細な手続きについては、各金融機関のウェブサイトなどで確認してください。
以上が現行NISAから新NISAへの引き継ぎに関する内容です。次のセクションでは、新NISAの投資枠と対象銘柄について解説します。
3. 新NISAの投資枠と対象銘柄
新NISAでは、投資枠が2つに分かれており、つみたて投資枠と成長投資枠があります。それぞれの投資枠で選ぶことができる銘柄について見てみましょう。
3.1 つみたて投資枠の対象銘柄
つみたて投資枠では、主に現行のNISA制度で取り扱われている銘柄を選ぶことができます。つみたて投資枠での銘柄選びには以下のポイントがあります。
◼信託報酬が低いインデックスファンド
長期的な利益を得るには、コストを最小限に抑えることが重要です。そのため、信託報酬が低い「インデックスファンド」を選ぶことが鉄則です。
◼世界経済の成長に連動する銘柄
成長を見込むためには、世界経済の成長に連動する銘柄を選ぶ必要があります。「全世界株式」や「先進国株式」、そしてその構成銘柄の約60〜70%を占める「米国株式」がセオリーとされています。
◼純資産が100億円以上の信託ファンドを選ぶ
投資信託の人気や信頼度を示す要素として、純資産が重要です。純資産が100億円以上のファンドを選ぶことで、リスクを減らすことができます。
楽天証券の新NISAでは、これらのポイントを満たした投資信託が推奨されています。以下に、楽天証券のつみたて投資枠で買えるおすすめの銘柄を紹介します。
- 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス
- ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 楽天・S&P500インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
3.2 成長投資枠の対象銘柄
成長投資枠では、一般NISAで取り扱いのある銘柄を基本的に選ぶことができますが、一般NISAの対象外銘柄は取り扱われません。成長投資枠の銘柄選びでは、上記のポイントに加えて、自身の投資目標やリスク許容度に応じて適切な銘柄を選ぶことが重要です。
新NISAでは、投資枠が増えたことで、多様な銘柄を選ぶことができます。しかし、投資の目的やリスクへの許容度に応じて、適切な銘柄を選ぶことが大切です。自身に合った投資を進めるために、参考にしながら適切な銘柄を選んでください。
4. 新NISAへ向けた準備方法
4.1 口座開設と積立の設定
新NISAを始めるためには、まずは金融機関への口座開設が必要です。口座開設はウェブ上で簡単に行うことができます。口座開設時には、取扱商品の幅や手数料の安さなどを比較し、自分に合った金融機関を選びましょう。
口座開設が完了したら、積立投資の設定を行いましょう。積立投資を設定しておけば、自動的に投資が行われるため、手間を省くことができます。一部の金融機関では、ネット証券を通じて積立投資の設定が可能です。なるべく早く設定を完了させておきましょう。
4.2 クレカ積立の利用
クレカ積立は、クレジットカードを使用して投資信託への積立投資代金を支払うことができるサービスです。クレカ積立を利用すると、ポイントを貯めることができるメリットがあります。ただし、金融機関によって利用できるクレジットカードの種類や還元率が異なるため、適切なクレジットカードを選択しましょう。
楽天証券では楽天カード、SBI証券では三井住友カードを利用することで、それぞれのクレジットカードのポイントを貯めることができます。現金で投資する場合には得られないクレカ積立のポイントを活用するため、クレジットカードの作成とクレカ積立の利用をおすすめします。
4.3 すでにNISAを利用している人向けの準備
既にNISAを利用している場合でも、新NISAに向けた準備が必要です。
2024年には新NISAの口座が自動的に開設されますが、積立投資の設定は既存のNISAから引き継がれます。同じ投資を継続する場合は手続きは不要ですが、投資額や投資先を変更したい場合には、積立投資の設定を変更しましょう。
また、新NISAでは他の金融機関を利用したい場合には金融機関の変更が可能です。ただし、2024年に一度でもNISA口座で取引を行ってしまうと、金融機関の変更はできなくなります。そのため、金融機関の変更を希望する場合は、早めに手続きを完了させましょう。
これらの準備を早めに行うことで、新NISAのスタートに向けてスムーズに準備を進めることができます。準備を怠らずに、新NISAを有効活用しましょう。
5. おすすめの投資信託選び
新NISAを利用する際、どの投資信託を選ぶかは非常に重要です。以下では、おすすめの投資信託の選び方について説明します。
1. リスク許容度を考慮する
まず、投資信託を選ぶ際には自分のリスク許容度を考慮しましょう。
個々人のリスク許容度は異なるため、自分がどれくらいのリスクを受け入れることができるかをしっかりと考えてください。リスク許容度が高い場合は、成長性の高い銘柄に投資することができますが、リスク許容度が低い場合は安定性のある銘柄を選ぶべきです。
2. 運用実績を確認する
投資信託を選ぶ際には、その運用実績を確認することが重要です。
運用実績が長期間にわたって安定しているファンドは、信頼性が高いと言えます。過去の運用成績をチェックし、銘柄を選ぶ際の参考にしましょう。
3. コストを比較する
投資信託を選ぶ際には、コストも重要なポイントです。
手数料や信託報酬など、投資信託にはさまざまなコストがかかります。手数料や信託報酬が低い投資信託を選ぶことで、運用成績によるリターンを最大限に活かすことができます。
4. 分散投資を意識する
投資信託を選ぶ際には、分散投資を意識しましょう。
異なる業種や地域に分散して投資することで、リスクを分散させることができます。いくつかの異なる銘柄を組み合わせてポートフォリオを作成し、バランスの取れた投資を行いましょう。
5. プロフェッショナルの意見を参考にする
投資信託を選ぶ際には、プロフェッショナルの意見を参考にすることも有効です。ファイナンシャルプランナーや証券会社のアナリストなど、専門家の意見を聞くことで、より適切な銘柄を選ぶことができます。
以上がおすすめの投資信託を選ぶ際のポイントです。
自分の投資目的やリスク許容度に合う銘柄を選び、資産形成を進めていきましょう。
注意しなければいけないのは、投資信託の運用にはリスクが伴うことです。投資する前にリスクについてしっかりと理解し、十分な情報収集を行うことをおすすめします。
まとめ
以上が新NISAの概要、現行NISAからの引き継ぎ方法、投資枠と対象銘柄、新NISAへ向けた準備方法、おすすめの投資信託選びについての解説でした。
新NISAは個人投資家の資産形成や金融市場の活性化を促進するための制度として期待されており、投資上限額の引き上げや非課税期間の無期限化など、多くのメリットがあります。
現行NISA口座を保有している方も、新NISAへの移行手続きは不要で、既存の投資を継続する場合は特に手続きは必要ありません。ただし、移行できない商品もあるため、売却のタイミングには注意が必要です。
また、準備方法としては口座開設と積立の設定、クレカ積立の利用、既存のNISAからの引き継ぎ設定などがあります。最後に、投資信託の選び方にはリスク許容度や分散投資、プロフェッショナルの意見を参考にすることが有効です。ただし、投資にはリスクがありますので、慎重な検討と情報収集が必要です。新NISAを有効活用して、資産形成を進めましょう。