医療費控除とは？年間10万円以上の支出で税金が戻る！申請方法と対象費用を徹底解説

医療費控除とは、医療費の支出によってもたらされる家計の負担を軽くするための制度です。

これを利用することで、所得税や住民税の負担を軽減できます。

本記事では、医療費控除の仕組みや対象費用、計算方法、申請手続きなどについて詳しく解説します。

毎年きちんと申請手続きを行えば、たくさんの経済的メリットを得られるでしょう。

Contents

1. 医療費控除とは何か?

医療費控除は日本の税制の一部であり、医療費が家庭の経済的な負担となることを軽減するために設けられた制度です。

この控除を活用することで、一定の条件を満たした医療費を個人の所得から控除でき、最終的には所得税や住民税の負担を軽くする効果があります。

医療費控除の基本的な考え方

医療費控除は、1年間に実際に支払った医療費が特定の基準を上回る場合に適用されます。

この控除の対象となるのは、納税者自身やその扶養家族のために支出された医療費です。

控除を受けるためには、次の条件のいずれかを満たさなければなりません。

年間医療費が10万円を超える場合
総所得金額が200万円未満で、その5%に相当する医療費が発生している場合

国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき（医療費控除）」を参照

控除額の算出方法

医療費控除の額は、対象となる年の1月1日から12月31日までに支払った医療費を合計した後、一定の基準額を差し引いて算出します。

ただし、還付が受けられないケースも存在するため、注意が必要です。

申請が必要な理由

医療費控除は年末調整では自動的に処理されず、確定申告を通じて申請しなければなりません。

したがって、医療費控除を受けたい方は毎年の医療費支出をきちんと記録し、必要な準備を整えておくことが重要です。

これにより、医療費控除の恩恵を最大限に活用することが可能になります。

2. 医療費控除の対象となる費用

医療費控除は、特定の条件を満たす医療関連の支出を税金控除として適用できる制度です。

このセクションでは、医療費控除の対象となる具体的な支出項目について詳しく解説します。

医療機関での費用

まず、病院やクリニックで支払った費用は原則として控除対象です。

以下のような項目が含まれます。

医療サービス費用：医師や歯科医師による診療にかかる費用。
入院関連費用：入院に際しての部屋代、食事代、そして診療に関連する費用。

薬にかかる費用

医療目的で使用される薬剤の購入も控除の対象です。

具体的には以下のような内容が該当します。

医師の処方に基づく治療用の薬品（例：風邪やインフルエンザの治療薬）。
医師が指示した薬剤の費用。

健康維持や病気予防を主目的とするビタミンやサプリメントなどは控除の対象外となります。

通院に伴う交通費

医療機関への通院で発生する交通費も控除対象に含まれます。

具体には次のような費用が対象です。

公共交通機関の利用にかかる費用（例：電車やバス料金）。
医療機関が遠方にある場合に支払う新幹線やタクシーの料金（ただし、公共交通機関使用が可能な場合を除く）。

医療器具の購入費用

治療を目的とした医療器具の購入も控除対象です。

具体的に以下のようなアイテムが含まれます。

義肢や義足。
松葉杖、補聴器、眼鏡。
医師からの指示に基づくコルセットなど。

施術にかかる費用

医療行為に関連する各種施術も控除対象に含まれます。

あん摩、マッサージ、指圧、鍼灸、柔道整復師による施術費：これらの施術は、明確に治療を目的とする場合に限り控除対象となります。

出産に関連する費用

出産に伴う支出も医療費控除が適用されます。

妊娠中の定期検診や必要な検査の費用。
出産による入院費用、特に治療上必要な場合における交通費（タクシー代など）。

以上のような費用は、医療行為として理解されます。

介護に関する費用

介護活動に関連する支出も控除対象となります。介護福祉士が提供するサービスに対する自己負担分や、介護施設への入所費用が挙げられます。

医療費控除の対象となる支出は多岐にわたりますので、個別の支出を確認し、領収書や証明書をしっかりと準備することが大切です。

具体的な内容や条件については、さらに詳細に理解を深めることが求められます。

3. 医療費控除の申請手続き

医療費控除を受けるためには、確定申告を行うことが必要です。

このセクションでは、申請手続きの詳細な流れを説明します。

ステップ1: 適用条件の確認

申請を行う前に、医療費控除を受けるための条件を確認しましょう。

対象となるのは、自分自身または同一生計の家族が支払った医療費です。

控除が適用されるのは、年間医療費が 10万円を超える場合 または 総所得金額の5%超 の医療費部分です。

ステップ2: 必要書類の準備

申請に際して、以下の書類を整える必要があります。

医療費明細書: 支払った医療費の詳細を記載した文書。
確定申告書: 所得や各種控除に関する情報をまとめたもの。
領収書またはレシート: 医療費の支払いを証明するための書類。
本人確認書類: マイナンバーカードや運転免許証などが必要です。
源泉徴収票: 給与所得者としての必要書類。

ステップ3: 書類作成の手続き

必要な書類が揃ったら、医療費明細書と確定申告書の作成に入ります。

医療費明細書は自身で作成し、金額や医療機関の情報を正確に記載することが求められます。国税庁のウェブサイトからダウンロードすることが可能です。

国税庁「医療費控除の明細書」を参照
医療費控除の明細書のダウンロードリンク

ステップ4: 書類の提出

作成した書類一式は、所定の期間内に税務署に提出します。

提出期間は2月16日から3月15日までです。

提出方法は次の3つがあります。

郵送: 書類を整えて封入し、郵送します。
直接持参: 税務署に自分で持参することも可能です。
e-Tax: インターネットでの申請ができ、時間がない方には特に便利です。

ステップ5: 還付金の確認

申請が完了した後は、医療費控除による還付金の金額を確認します。

申請が承認されると、還付金が指定の銀行口座に振り込まれます。

注意点

領収書の管理: 医療費明細書は提出しますが、領収書やレシートは5年間保管する必要があります。税務署から確認されることがあるため、大切に保存しましょう。
セルフメディケーション税制との判断: 医療費控除とセルフメディケーション税制は同時に使用できませんので、どちらが自分にとってより有利かを検討してください。

医療費の負担が大きい際の経済的な支援として重要な制度です。

申請手続を適切に行い、しっかりと控除を受けられるようにしましょう。