はじめに
全経簿記は、個人向けに商業簿記や会計、原価計算の知識を検定する試験です。全商簿記や日商簿記とは異なる主催団体であり、経理専門学校を中心とした受験者層が特徴です。この記事では、全経簿記の概要や試験情報、受験のポイント、他の簿記試験との比較について解説します。
全経簿記の概要
全経簿記は、「全国経理教育協会」が主催する簿記の検定試験で、経理や会計の専門性を測るものです。この試験には基礎簿記会計、3級、2級、1級、上級の5つの等級があり、それぞれのレベルに応じた知識が問われます。受験資格は年齢や学歴、性別に関係なく、どなたでも受験することができます。
試験の内容・範囲
全経簿記の試験範囲は、商業簿記・会計学、原価計算・工業簿記などで、等級によって扱う内容が異なります。上級・1級・2級には、商業簿記と工業簿記の2つの科目がありますが、3級以降は商業簿記のみとなります。
また、各級によって試験時間や試験料が異なります。例えば、基礎簿記会計では試験時間が90分で試験料は1,600円(税込)、上級では試験時間が180分で試験料は7,500円です。
受験情報
試験は年4回(2月、5月、7月、11月の日曜日)実施されるほか、申込方法や受験料、試験会場などは、「全国経理教育協会」の公式サイトで確認することができます。
検定の申し込みはインターネット上から行われ、マイページで受験票の印刷や合格証明書の発行、合格発表の確認ができます。試験の合格基準は1科目100点満点で、各科目の得点が70点以上の場合に合格となります。
全経簿記の受験のポイント
全経簿記の受験を成功させるポイントは、試験の難易度や自分の目的を理解し、適切な級に挑戦することです。以下、それぞれのポイントについて具体的に解説していきます。
適切な級の選択
全経簿記では、5つの等級から適切なレベルを選択して受験することが重要です。試験の目的や自分の学習状況に応じて、基礎簿記会計から上級までのレベルを選択することができます。
また、税理士試験の受験資格を取得することが目的の場合は、日商簿記1級や全経簿記上級を受けることが有利です。
過去問題や練習問題の活用
全経簿記試間の攻略のためには、過去問題や練習問題を活用して繰り返し解いたり、自分の弱点を見つけて対策することが大切です。過去問題は全国経理教育協会の公式サイトで確認することができます。
また、模擬試験や解説書も活用して、試験に対する理解を深めることが求められます。
他の簿記試験との比較
日本では、全商簿記・日商簿記の他に全経簿記という3つの簿記試験が主流となっています。それぞれの試験には特徴があり、どの試験を選択するかは目的や受験者層によって異なります。以下、それぞれの試験と全経簿記との比較を解説していきます。
全商簿記との比較
全商簿記は、全国商業高等学校協会が主催する簿記試験で、商業高校生を中心とした受験者層が特徴です。全商簿記は3級、2級、1級の3つの等級があり、主に商業簿記を問う試験です。
全経簿記との比較では、受験者層や知名度などが異なりますが、試験内容や難易度はある程度似ています。ただし、全経簿記が上級を設けて税理士試験の受験資格を取得できるのに対して、全商簿記にはそのような制度はありません。
日商簿記との比較
日商簿記は、日本商工会議所が主催する簿記試験で、社会人や大学生が主な受験者層です。日商簿記は、原価計算初級・初級・3級・2級・1級の5つの試験があり、知名度や就職・転職における評価が高いのが特徴です。
全経簿記との比較では、受験料や試験範囲が異なりますが、日商簿記の2級は全商簿記の1級や全経簿記の1級とほぼ同じ難易度とされています。また、日商簿記1級や全経簿記上級に合格すると、税理士試験の受験資格が与えられる点では共通しています。
まとめ
全経簿記は、経理専門学校生向けの簿記検定試験であり、商業簿記や会計の知識を証明できる資格です。受験者層や就職・転職などキャリアに活かす目的で取得する場合には、日商簿記がおすすめですが、全経簿記も一定の評価があります。
適切な級を選択し、過去問題や練習問題を活用しながら効果的に学習していくことで、全経簿記を取得し、キャリアアップに役立てることができます。