新卒者の方々は、初任給について気になることが多いと思います。初任給は、企業の規模や業界、性別によって大きく変わります。
この記事では、高卒者の初任給に関する最新データを分かりやすく解説しています。
初任給の平均額から男女別の違い、企業規模による影響、地域性や業界による差まで、さまざまな角度から詳しく紹介しています。進路選択の参考にしてみてください。
高卒の初任給の平均額はいくら?最新データを解説

高卒初任給の実態
就職を考えている高校生やその保護者にとって、この初任給の額は進路選択において極めて重要な要素となっています。
厚生労働省の調査によると、令和5年度の高卒者の平均初任給はおよそ189,200円という数値が示されています。
この金額は前年から4.1%の上昇を見せています。
厚生労働省「令和6年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果」から引用
初任給の手取り額
初任給の189,200円は、保険料や所得税が差し引かれる前の額面給与ですので、実際に手元に入る金額はこれらの控除を考慮すると約16万円前後となるのが一般的です。
このように、実際に使える金額が少なくなることを理解しておくことは非常に重要であり、生活費やその他の支出に与える影響をしっかり考慮する必要があります。
年齢別給与推移
高卒の初任給は、年齢が上がるにつれて徐々に上昇する傾向にあります。
特に新入社員や若手社員の場合、初めは経験が乏しいため、初任給が低く設定されることが多いです。
1年目や2年目を経て、社員はスキルを磨き、資格を取得することで給与が上昇する可能性があります。
高卒初任給の背景
最近の労働市場においては、高卒者の状況が変化しています。
特に、特定の専門スキルを持つ人材への需要が高まり、一般企業における業務効率化が進行しているため、高卒者の初任給にも影響が出ています。
将来の職業や業界に応じて、高卒の初任給は大きく異なるため、自分が目指す職種の具体的な初任給をしっかりと調査し、その情報を基に進路選択を行うことが非常に大事です。
企業規模による初任給の差を見てみよう

高卒の初任給が企業の規模によってどのように影響されるのか、具体的なデータをもとに検証していきます。
企業の規模は給与に影響を与える要因として広く知られていますが、実際にはどのような傾向があるのでしょうか。
初任給の違い、差が出る要因
初任給の違いにはさまざまな要因が関わっていますが、主なものは以下の通りです。
- 雇用形態の違い:正社員、契約社員、パート・アルバイトなどの働き方によっても初任給に影響を与えます。
- 職種の選択:建設業や製造業、サービス業、教育関連などでは、初任給の設定が異なります。
このように、初任給の差は、雇用形態、職種さまざまな要因が絡み合いながら形成されています。
企業規模別
高卒の初任給は企業の規模に応じた明確な違いが見受けられないとの結果が出ています。
以下に、企業の規模別に高卒初任給を整理した表をご紹介します。
企業規模 | 初任給(千円) |
---|---|
大企業(1000人以上) | 188 |
中企業(100~999人) | 182 ~ 186 |
小企業(10~99人) | 188 ~ 190 |
このデータから、上から下までの差は約7,000円程度とわずかであり、中企業や小企業との間に大きな隔たりはないことがわかります。
厚生労働省「令和6年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果」から引用
企業規模の選択が重要な理由
企業の規模が初任給への影響が少ない一方で、安定性や成長性、福利厚生においては影響が出ることがあります。
以下のポイントを考慮することが重要です。
- 安定した業務環境:大企業はしっかりとした経営基盤を持っており、安定した労働環境を提供する可能性が高いです。
- キャリアパスと成長機会:大企業では、研修制度や昇進の機会が豊富で、長期的なキャリアを築くことが容易になります。
- 充実した福利厚生:多くの大企業は従業員の福利厚生に力を入れ、ボーナスや充実した休暇制度を整備しています。
このように、高卒者が初任給だけでなく、将来的なキャリアや生活の質も考慮する際には、企業選びに慎重さが求められます。
企業の規模は単なる一つの指標に過ぎませんが、自分に最適な職場環境を見極めるための重要な手がかりとなるでしょう。
地域別!高卒初任給が高いのはどの都道府県?

高卒の初任給は地域によって異なり、その差は非常に大きいことがわかっています。
どの都道府県が高卒の初任給で高い位置にあるかを知ることは、就職活動を行う上で重要な指標です。
今回は、最新の統計データを参考に、都道府県ごとの高卒初任給のランキングを詳しく見ていきましょう。
トップ5高卒初任給ランキング
ここで紹介するのは、高卒の初任給が最も高い都道府県のランキングです。
- 東京都 – 初任給 178,100円
- 大阪府 – 初任給 176,100円
- 神奈川県 – 初任給 175,600円
- 千葉県 – 初任給 174,200円
- 埼玉県 – 初任給 173,100円
これらの地域では都市部に多くの企業が集中しており、競争が激しいため、初任給も高く設定される傾向があります。
ワースト5高卒初任給ランキング
一方で、初任給が比較的低めの都道府県は以下の通りです。
- 沖縄県 – 初任給 145,200円
- 秋田県 – 初任給 149,900円
- 青森県 – 初任給 150,500円
- 岩手県 – 初任給 151,400円
- 長崎県 – 初任給 154,800円
これらの地域では企業数が限られており、企業の規模も比較的小さいため、初任給は抑えられることが多いです。
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」から引用
※付表3 都道府県、性、学歴別初任給及び都道府県間格差を参照
都市部と地方の特徴
- 高い生活費: 特に家賃が高いため、高い初任給でも手取りが減少する可能性があります。
- 企業の集中: 大手企業や名の知れた企業が集まっているため、競争が激しく、高い給与の職が多く存在します。
一方、地方では生活費が比較的安価であるものの、初任給が低くなる傾向があり、初任給だけでなく、全体的な生活環境を考慮することが大切です。
地域ごとの影響要因
高卒の初任給の違いは多くの要因によって影響を受けています。
- 企業の規模: 大企業は通常、より高い初任給を提示しますが、中小企業は比較的初任給を低く設定することが多いです。
- 求人の競争状況: 地域によっては人材が集まりやすく、特定の業界が発展している場合、初任給が引き上げられることもあります。
このように、高卒の初任給には地域間で差があり、就職先を選ぶ際には給料だけでなく、生活費や仕事環境も十分に考慮することが求められます。
初任給が高い業界を比較!

高卒者にとって、入社後の収入は大事な要素です。どの業界に就職するかによって、初任給は大きく変わってきます。
初任給の業界・職種別に比較
高卒者の初任給は、業種や業界によって大きく異なることがあります。
たとえば、以下の業種は比較的初任給が高い傾向にあります。
- 教育・学習支援業(21.9万)
- 生活関連サ ー ビ ス業・娯楽業(20.3万)
- 建設業(20.2万)
- 学術研究・専門・技術サービス業(19.4万)
一方、金融業や保険業は初任給が低めの業界とされています。
厚生労働省「令和6年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果」から引用
※第6表 産業別・規模別・職業別求人初任給(高校)
給料を増加させるためには、初任給だけでなく、長く働いてキャリアップする方法もあることを忘れないでください。年収においては、計画的なキャリアアップがカギとなります。
高卒が長期的に働いた際の高年収業界 3選
ここでは、高卒が長期的に働いた際の高年収とされる業界のおすすめ3選を紹介します。
1. IT業界
現在、IT業界は急速に成長を続けており、常に人手不足が続いています。
このため、高卒でも比較的高い初任給が期待できる職種の一つと言えるでしょう。特にエンジニアやプログラマーは、スキル次第で大きな収入を得る可能性があります。
企業は未経験者向けに育成プログラムを用意しており、将来的なキャリアパスも豊富です。
2. 建設業
建設業も高卒者にとって魅力的な選択肢です。
特に現場作業や施工管理の職種は、学歴よりも実力が重視されるため、高卒でもポジションによっては高い初任給を得られるケースが多いです。
新しいプロジェクトに参画することで、経験を積む機会も多く、キャリアアップも見込まれます。
3. 不動産業
不動産業の営業職はインセンティブ制度が採用されていることがあり、成果次第で初任給が大きく変わる職種の一つです。
特に宅地建物取引士の資格を持つと駆け出しでも高い時給を得られ、満足のいく給与を実現することができるでしょう。
これらの業界は、高卒者にとって初任給が高いだけでなく、将来的にスキルアップや昇給にも繋がる可能性が大いにあります。
それぞれの業種の特性を理解し、自分に合った選択をすることが重要です。
まとめ
高卒の初任給に関して、様々な要因が影響していることが分かりました。さらに地域や企業の規模、業界によって初任給に大きな差があることもわかりましたね。
自分の目標と適性に合った業界を見つけ、初任給だけでなく長期的な働き方も考慮して、自分に最適な職場を選ぶことが重要です。
IT業界、建設業、不動産業などは給与設定が高めの傾向にあり、将来的なキャリアアップの機会も多いです。
高卒でも給与アップは十分に可能ですので、自己PRと能力開発に努め、納得のいく初任給を得られるよう頑張りましょう。